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| 朝から降っていた雪も止み、愛犬を連れて散歩に出かけることにしたのは、ご近所がそろそろ夕食の支度を始めだす頃。 雪は止んでいるものの周りは雪雲に覆われていて、ここ林檎園から見下ろす景色はぼんやりとしていて、家々の輪郭がかすかに分かる程度だ。夕食の準備なのだろう、うすぼんやりした中にポツリポツリと滲んだ明かりが見え始めた。 林檎園の小道を歩いていると、雪に覆われた一本の木の枝に赤くしなびた林檎がぶら下がっているのを見つけた。 普通出荷できない規格外のものは作業中に省かれ地面に捨てられてしまうのだが、なぜかポツンと雪景色の中に残っている。 「冬鳥のために残してあるのだろうか.............。」 しばらく歩いていて、ふと気が付いた。 いつもと何かが違うのと思っていたが、今日は周りの音がずいぶん少ない。 「ああそうか雪のせいか。」 雪に車の走る音が吸収されほとんど聞こえないためだった。 音のない世界 白い雪 ポツリと赤い林檎 そして、白い小道はまるで幽玄の世界へ誘うかのように雲に溶け込んでいる。 静かなる林檎の園や雪の道 魚迷 |
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| 静かなる林檎の園や雪の道 |
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| 平成十八年 霜月 十九日 |