空から舞い下り
さあ仕事
私の名は道楽衛門(ドラエモン)




建築アルバムをご覧ください (写真26枚)


90%完成の頃

概要
・延べ面積40坪

住宅建築の経験なし。造園職の経験あり。主に書物にて研究し、自分のブロック積み、石積みの経験を生かせる工法を選択。
基礎から屋根瓦まで、設計、設備、左官、ブロック積み、造作、造園等すべてを、夫婦二人で、やり遂げる。
機械は、基礎掘削時の、ミニ・バックフォー(リース)のみ使用。小屋組み、屋根材料すべて二人の手作業で荷揚げ。
コンクリートはすべて手練り。使用セメント,40kgが500袋。
[基礎]一部を除き、幅35cm、高さ100以上。鉄筋二列配筋
[構造]組積造
一階外壁が鉄平石の木端積み・補強鉄筋コンクリートの裏込め。間仕切りは、重量ブロック15cmを使用。
二階はすべて、重量ブロック使用。外壁モルタル左官・石灰の刷毛引き仕上げ。
4コーナーに、煉瓦枠の中に鉄筋+コンクリート打ち込みした柱を建て、一階、二階のコンクリート臥梁の鉄筋と連結。
小屋組みには、下仁田の杉丸太末口16cmを使用。
根太には、米ヒバ使用。床、屋根下地には、構造用合板特級使用。
[内装]壁は漆喰塗り他、天井は化粧石膏ボード他、床はパインのフローリング他。風呂・トイレは、鉄平石貼り、天井コンクリート・スラブ。
屋根瓦は、釉薬瓦。
建築期間は、1年半。週1回休みで、ほぼ毎日専念。2階一部未完成。
他に、12坪の物置と、庭、排水、土留め石積み工事に半年。

完成後の感想

全エネルギーを傾注したので、とにかく疲れた。
家造りはもう結構。
だけど、やれば三階でも、二百坪の家でも、建てられると思った。
コツコツやれば、何でもできる。
何百人もとっつけば、大阪城ができるのは、驚くに当たらない。
もちろん、要領はある。技術もいる。
専門家の腕の見せ所だろう。
しかし、私は、現代の百姓。
家を造れば、コンピューターもいじる。
すべて二流だが、何でも及第。
へたの横好き、器用貧乏。
あまり、自慢にもならないが、それが、私の本領です。

とにかく、これは一人ではできなかった。

相棒(奥方)は、ど素人ながら、よくやってくれた。
おかげで筋肉隆々、ますますカカア天下。


建設の動機

経済的問題もあったが、アジアを旅していた時、各地で自分達で建設しているのを見て、

「大したことはない。できる。」と思った。
それに、近来多く使われている、外壁のサイディングが嫌いで、自然素材、特に石を使用したかった。
こういった造りの家は一般的でなく、自分でやるほかない。

これから建設する人へのアドバイス
役にたたないかもしれないけれど、一応記しておきます。

[設計]
これは、ある程度、構造と実技の知識がないと難しい。
適当に、というわけにはいかない。綿密過ぎる位がよい。
何回も書き直しながら、間取り等を決めていく。
例えば、基礎の図面を描く時には、屋根、小屋組みの構造が決まっていなくてはならない。
屋根を決めるには、材料の選定、入手法、機械の手配まで、考えておかねばならない。

[材料の手配]
金に糸目をつけないなら、問題ではないが、これは、最もやっかいな項目のひとつです。
安価に手軽にどのような材料が得られるかによって、工法が決まる、といっても過言ではない。
知り合いの紹介というのは、非常に重要。
どういう材料があるか、については、雑誌「建築物価」が役立つ。

[基礎]
多くのビルダーが、業者に任せてしまう基礎は、
やりかた、掘削、型枠、配筋、生コン、天端ならし、アンカーボルト、便漕・配管との兼ね合いと、
初心者にとっては、なかなかの難題です。
工期を優先するか、経済事情あるいはこだわりを優先するかによって決まると思いますが、
決して素人にできないものではありません。

[屋根]
粘土瓦、石、板、茅葺き、土、シングル、トタン等がある。
一般的な粘土瓦の施工は、決して難しくない。
建築後に見つけた本、「屋根の知識」(日本屋根経済新聞社)は非常に有用。
 
●関連URL
日本屋根経済新聞社

[左官]
雑誌「建築知識」1994.12月号 新・左官仕上げ百科―が役に立つ。
●関連URL
建築知識
土の家(House of loam)―石井達也
土壁についてのホームページ。左官職人榎本新吉氏、泥の舎―左官学校と土壁体験博物館(工事中)等

[工法]
在来工法
やはり、これは日本に適したすぐれた工法と思う。
しかし、技術の習得に多大な時間がかかるので、大工になるための道程を行くようなものだ。
これにこだわる人は、建ててもらうか、大工になるか、でしょう。

ツーバイフォー
素人がやるには、最も適していると思う。
早くできるし、材料入手も簡単で、直接輸入出来るルートもあるようだ。
マニュアル本もあるし、近所で見学する見本にことかかない。
ただ、画一的で、へたすれば安っぽくなる。
●関連URL
日本ツーバイフォー建築協会
 
ログ・ハウス
これも、多くの素人ビルダーが建てている。
長野県にはたいへんたくさんあり、カナダ、フィンランドからの輸入材を扱うところも多い。(知り合いの業者が近所にあるので、ご希望あればご紹介します。基礎、材料搬入、組立て、内装…好きな部分だけ自分でやってもよい。)
多くは別荘だが、住居としている人もあるようだ。
こだわる人は、国産の杉で建てたりしている。しかし、雨のあたる部分に杉を使用するのは感心しない。

ブロック造り
私は、最初、表面に模様の入った、基礎用の重量ブロックで建てる計画をしていた。
これは、左官仕上げのいらない、一発仕上がりなので、手間がかからず、早く仕上がる。
あとで、近所に私の計画と同じ仕様の家を見つけたが、悪くはなかった。
工夫次第では、独創性、高級感も出せる。

石造り
私は、石造りにこだわった。
おがげで、今世紀の金字塔といわれ、私の死後、ここが観光名所となって、
村から名誉村民の称号を賜ると、確信している。
現在のところ、まだ、道楽村民との噂しか耳に届いてないが…kuku!

ドームハウス
これも、やはり近所に何軒かある。
別荘で、なかなか立派なのがある。
金のある人には勝てぬ。

タイヤ・ハウス
これは、地元新聞に載っていて、まだ確認はしていないが、廃タイヤのリサイクル使用で、
北側山斜面を掘り込んで、タイヤの中心に土を入れたのを土留めとし、
南面にサッシ窓を取り付け、冬の耐寒性に配慮してあるらしい。

かまぼこ型ハウス
これも近村にある。
山の避難小屋にもある、鉄製のもの。
遠くでは、朝日連峰の以東小屋であったか、でかいのがあった。

パーマ・カルチャーの家
サステイナブル・アグリカルチャーを基本にすえた、
エコ・ライフスタイルの行動原理である、パーマカルチャーにのっとった建築。
材料は、すべて土に帰る、自然の素材を使用。
オーストラリア、ニュージーランドで多く見られるようだが、私はネパールで確認した(下写真/建築中)。

外観はすばらしい。
飛騨の合掌造り等日本伝統の建築も、同じプリンシプルに基づいているといえる。

●関連URL
パーマカルチャー
ストローベイルハウス
民家再生リサイクル協会


その他
モンゴルのパオ(下写真/於リトルワールド)、竪穴式、なんでもご自由にやってけろ。
 


Presented by Morisaki in Kitamimaki, Nagano. Feb.24.1997 

メール

リンク
建築・土木・環境・まちづくり インターネットアドレスブック
建築関係のリンク集
されどわがや
中古住宅購入改築記録
Yesterday Home
Housing & Gardening
 

Back to
二人で造った我が家