はぐれ雲
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平成十八年 師走 二十三日
麗らかに化粧直しのえぼし山
hg 3
 犬の散歩。
山には霞がかかり、木々の枝には若芽が見えはじめた。
フェーン現象で連日摂氏10℃近くまで気温が上がり、関東周辺では、春一番が吹いたという。
私の家から見える、烏帽子岳の山頂の雪も解け始め、岩肌が現れ始めた。この山の雪が消えてなくなると、この地方では、朝の冷え込みを心配しなくてもすみ、道路の凍結もなくなるので、車のタイヤを冬用から、夏用に履き替える。
他地方での、残雪の様子で田植えをする様に、ここでは、タイヤの履き替えの目安になっている。

タイヤのことを思いながら歩いていて、ふと『タイヤ履き替え』
って、季語として使えるのでは? と思った。
古より使われている季語の、奥深い二重にも三重にも、意味のある言葉とは違い、薄っぺらなものだが、何とか使えそうだ。
 『タイヤ換え』『冬タイヤ』『夏タイヤ』『スタットレス』
など、初春の季語で。


例1) 
タイヤ換え溝の貝片九十九里   魚迷

@暖かい気候になったので、車のタイヤを、冬用の物から夏用
 に換えていると、夏タイヤの溝に、去年の夏訪れた九十九里
 浜の物だろう貝片が挟まっているのを目にし、夏の思い出が
 脳裏を横切った。
A細いタイヤの溝から壮大な九十九里浜へ、の視点の移動。
B寒い季節から、タイヤ交換を介して暖かさを切望する気持ち。
             
注)現代俳句風の解釈であり、この句の本意ではない

例2) 
タイヤ換え溝の貝片親不知   紀香(魚迷)

     上記とはまるで意味合いの違うもの
     女性名の発句となると、艶っぽくなる
     これは、川柳。


 う〜〜〜〜む。やはり無理があるか、と頭の中で遊びしな、タイヤ交換を何時にしようかと、歩きながら考えた。
 
 りんご園の小道にさしかかると、周りの木々に、小鳥達が止まっているのが見て取れた、柔らかな陽の下、気持ちよさそうに枝に止まっている。 春 もうすぐ新年。



        麗らかに化粧直しのえぼし山
     魚迷





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