信州上田 甲斐犬 大門犬舎










虎の一芸

甲斐犬は猟犬として知られているが、生まれながらにして鳥や獣の行動や習性を知っていて、どうすれば獲物を捕らえることができるかと言うことを、教えなくてもできる
能力があるとされています。
この能力のことを昔から「虎の一芸」と言われ、そのため、虎毛の甲斐犬は猟の上手な犬として大切に育てられてきたのです。




猟欲

猟欲の無い甲斐犬は姿形は甲斐犬に似ていても甲斐犬とは言えないと思います。
猟犬と言えども現代では猟期は3か月ほど、残りの9か月を家庭犬として子供や女性にも良い遊び相手になってあげなければなりません。               現代の猟は生活を掛けての猟ではありませんが、それでも猟師に多くの獲物を獲らせてあげられるのが猟欲のある狩猟犬の役割だと思います。           愛玩犬としてのみ可愛がるならば甲斐犬ではなく、もっとふさわしい犬が沢山おります。       普段は家庭犬として温和で楽しく遊ぶ事ができ、一度山に入ればその秘めた能力で獲物を追う甲斐犬の姿を思うと本当にうれしく思います。

ブログ   
走れ!カピ!
カピのブログです、見てください!



鳴き止め芸

狩猟犬の猟芸として最も値千金と言える両芸の一つです。
現代の狩猟のように車やGPS、高性能のライフルなど無かった昔の猟は正に一銃一狗、一人の猟師が一頭の犬を連れて行う単独猟が当たり前だったのです。   そのためどうしたら獲物が取れ、犬も猟師も安全に猟ができるかを考えて完成された猟芸が鳴き止めなのです。         犬が猟をして獲物を捕るのではなく、犬は獲物の所在を知らせ、猟師がそこに到着するまで獲物を止め置くのが仕事です。      そして鉄砲を撃って猟をするのが猟師なのです。本来の甲斐犬は鹿猟をする為の犬なのですが、頭の良いこの犬は熊にも猪にも鳥猟にも訓練次第で使えることがあります。             しかし、いずれにしても甲斐犬を猟犬として使う場合は単独での猟が良いとされています。
カピの鳴き止め

走って逃げる鹿を止める



止まっている鹿に吠えているわけではない。
走って逃げる鹿の鼻先に咬みを入れて、いったん足を止めさせる。
逃げることを止め、戦うことを選んだ牡鹿の鼻先でワンワンと吠えつく。
常に鹿の前で鳴きながら付かず離れず一か所に止める。       
間断なく鳴く乾いた声が木々の間にコダマする。

鹿の反撃



牡鹿の鼻先、1尺ほどまで接近して鳴きを入れると、鹿が角を下げ捲りにかかる。 
ゆうに2mを超える鹿が一気に数メートル捲ってくるが、それを見事にかわし、
又、元の体制に戻る。    
鹿と言えど命がけの戦いが続きます。

一か所に鳴き止める(本止め)


捲りをかわし、両者一定の間合いに戻ると、また、カピが鳴き始める。
これを繰り返し、鉄砲を持った人間が来るのを待っているのです。 
完全に犬の術中にはまった鹿は二度と逃げ様としない。

牡鹿の足跡



この時の牡鹿の足跡です。でかかった。

最初の絡み


走って逃げる牡鹿に走力で勝り追いつくと、その足を止めるために急所の鼻先に
咬みを入れた場所です。
この様に咬みを入れることにより鹿の逃げ足を防ぎ、逃げても無駄なことを
鹿に叩き込むのです。
そして鹿は、正面から犬と戦うことを選び、見事に犬の術中にはまっていくのです。
(血がついている写真なので、ダメな人は見ないでください)

鳴き止めの範囲



積雪50p程、長さ20mほど幅10ほどの範囲に鳴き止めていました。
私も写真んを撮りに木の陰から20mほどで接近しましたが、野生の命を懸けた
やり取りにはこれ以上接近することはできませんでした。 
何せ、素手ですから。・・・・