よくある質問

以下の内容につきましては、私独自の見解が、多数含まれています。
内容に、納得できる場合のみ、採用してください。
平成25年1月30日改訂

@通院回数は通常、どれくらいですか?
 当院の場合ですが、
急性中耳炎(耳の痛くなる中耳炎)は、3〜4日おきに2〜3回の通院で治癒することが多いようです。 
急性副鼻腔炎(風邪のあと、黄色い鼻がでる)の場合は、週1〜2回の通院が必要で、通常2〜3週間で治癒することが多いようです。 
滲出性中耳炎(聞こえが悪くなる中耳炎)の場合は、やや頑固で週1〜2回の通院で1カ月程度で軽快する場合もありますが、検査の結果が正常になるまでに何年もかかる場合がありますので、聞こえがよい場合は2週間に1回程度の通院で経過をみますが、ほとんどの人は10歳くらいまでには快方に向かいます。 
アレルギー性鼻炎の場合は、いろいろな薬を1週間ずつ飲み比べてみて、効果があれば2〜4週間ずつ処方しますので、シーズンの間、飲み続けるとよいでしょう。 
慢性副鼻腔炎
(蓄膿症)は手術をしない限り、完治は望めませんので、風邪をひいた後など、症状の強い時に集中的に2〜3週間通院していただくとよいと思います。近年、14員環マクロライド系抗生剤少量長期投与という治療方法が普及し、最初の2週間は常用量投与し、その後半量に減量して長期(3ヵ月程度)に投与する方法も行っていますが、重症の慢性副鼻腔炎にはあまり効果がないようです。
 どんな病気でも、毎日処置を行うのがベストと思いますが、皆さん毎日忙しく生活しておられると思いますので、なるべく少ない通院日数で治療するよう努めています。 その他の病気についての通院回数については、診察の際にお聞きください。 

A風邪をひいた時は、どの科を受診するのがよいでしょうか?
 一般に上気道炎といって、首から上の風邪で鼻水が出たり、のどが痛かったりする場合は耳鼻咽喉科に受診されるとよいと思います。耳鼻咽喉科では投薬のみではなく、鼻やのどの奥をよく見て、炎症を起こしているところがあれば、洗浄したり、薬を塗布したり、吸入をすることにより、治癒を早めます。
 高熱がある場合、風邪や扁桃炎の熱と思われれば耳鼻咽喉科でみてもよいと思いますが、肺炎やその他の病気が心配であれば、内科小児科で診てもらうとよいでしょう。 また、せきやたんがたくさん出る場合は、内科小児科で胸部をよく診てもらうとよいでしょう

B風邪の熱は下げないほうがよいでしょうか?
  風邪は風邪のウイルスが体の中に入って、増殖することによって起こります。ウイルスは熱に弱いので人体は体温を上げることによって、ウイルスの増殖をおさえようと働いていると考えられます。薬がなかった昔は熱が出たら、何日か寝ていて、自分の体力で風邪を治していました。実際、40℃までの発熱は人体に害を及ぼすことはないといわれています。そこで、風邪の熱は下げないほうがよいという考えの小児科医もいます。しかし、過度の発熱は体力の消耗を招き、食欲の減退をおこすので有害なことがあります。
 風邪の初期はウイルスが、悪さをしていますが、数日でウイルスの増殖は免疫等の働きで収まり、代わって細菌(バクテリア)が増えてきます。細菌は熱に強いので発熱は無駄な過剰反応になってしまうので、その段階では熱を下げてもさしつかえないと考えます。
 したがって、風邪で高熱(38.5℃)が続く場合には、時々、下げてあげるとよいと考えます

C発熱時は体を冷やしたほうがよいでしょうか?
 風邪をひいた時、脳の体温調節中枢は体温を上げるように全身に指令を出します。全身の筋肉がブルブルと震えること(悪寒)により熱を産生し、皮膚の血流が少なくなって(顔面が蒼白になる)、熱の放出を減らすことによって体温を上げます。体が体温を上げようとがんばっているときに氷などで体を冷やすことは逆効果で体力の消耗を招くだけでよくないと考えます。熱の上がり始めはできるだけ体を温めて体温調節中枢の指令に逆らわないことが体のためによいと考えます。

D風邪の時、解熱剤はどのように使えばよいでしょうか?
 熱が上がり切ったら解熱剤を使って体の芯から熱を下げるのがよいと思います。熱が下がるときには汗が出て、暑がりますが、あまり薄着をすると体温が下がり過ぎることがありますので、温かくしましょう。解熱剤は4〜6時間くらいで効果が切れて再び熱が上がってきます。熱が上がり切ったら再度、解熱剤を使って熱を下げましょう。そのうちに徐々に発熱の間隔が長くなって、解熱剤が切れても熱が出なくなります。熱が下がると食欲が出てきますので、消化のよいものを食べて、体力をつけるようにしましょう。どうしても食べれないときには、水分、塩分、糖分の補給に適したスポーツドリンクなどを飲ませましょう。

E解熱剤(熱さまし)と鎮痛剤(痛み止め)はどう違いますか?
 抗炎症剤(=鎮痛解熱剤)といわれる薬剤には鎮痛(痛みを鎮める)作用と解熱(熱を下げる)があります。解熱作用は、脳の体温調節中枢に作用して熱を下げる働きをします。鎮痛作用はプロスタグランディンという痛みを起こす物質の合成を抑制することによって働きます。
 最近、強い鎮痛解熱剤を小児のウイルス疾患(水痘、インフルエンザ等)に投与すると、ライ症候群という高死亡率の病態を発症する可能性があり、また、インフルエンザ脳症に強い鎮痛解熱剤を使用すると死亡率が高くなるといわれているため、投与しないよう注意されています。但し、アセトアミノフェンという鎮痛解熱剤は比較的安全とされ、使用が認められています。ただ、アセトアミノフェンは作用が弱いため、熱が十分に下がらないことがありますので、ウイルス疾患が否定された段階では、強い鎮痛解熱剤を使用する場合もあります。
 強い鎮痛解熱剤を妊婦に使用すると、胎児死亡を起こすことがあるので、妊婦には禁忌とされています。

F風邪をひいた時には、入浴はできますか?
 最近、風邪をひいている時の入浴をそれほど制限する必要がないという考えが出てきています。実際、汗をかいたあとの入浴は気分もさっぱりして、気持ちがよいものです。但し、
 ・熱があるときは、体温調節が混乱しますので、入浴は好ましくないと思います
 ・痛いところがある場合も、痛みが強くなる可能性があるので好ましくありません
 ・化膿して、膿が出ている場合も、炎症を悪化させる可能性があるので、好ましくありません

Gインフルエンザワクチンの有効率はどれくらいですか。
 平成16年11月27日の信濃毎日新聞によると、
○65歳以上で死亡者は5分の1に(旧厚生省研究班)
○65歳未満の健康な人も入院が半数に(米疾病対策センター)
○1〜5歳の有効率は20〜30%(日本小児科学会)
ということです。日本小児科学会は、「1歳以上5歳未満ではワクチンの有効率は20〜30%」と説明した上で「任意接種を勧める」との提言をまとめた。致死率が高いインフルエンザ脳症については、残念ながらワクチンによって症状自体が軽くなるというデータはない。と書かれていました。

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