平成19年1月30日更新
○聴力検査データを電子カルテに取り込むには
現在(平成19年1月)、電子カルテに対応したオージオメータを製造しているのは、リオンとモリタと永島医科器械です。それぞれ、独自の電子カルテ接続ソフトを用意しています。
@リオン
・電子カルテ対応オージオメータ :AA-79 130万円
・電子カルテ対応インピーダンスオージオメータ:RS-33 120万円
・開業医向け電子カルテ接続ソフト :DF-70 30万円
計 280万円 + パソコン代
特別値引をしていただきましたが、ここでは公表できません。リオンさん、本当にありがとうございました。
○開業医向け電子カルテ接続ソフトDF-70
特長
・入力した被検者のIDに対応する情報を上位システムから取得、表示できます(ID連携)。
・各社電子カルテシステムに対応可能なID連携機能を標準で装備しています(ID管理ソフトDF−70D1を標準添付)。
・リオン製検査装置(オージオメータ、インピーダンスオージオメータ、耳管機能検査装置)から検査結果を受信できます。
・受診したデータ(検査結果)を画像として表示できます。
・受診したデータ(検査結果)を画像化して上位システムへ送信ができます(画像連携)。
・セキュリティキーにより不正操作から保護します。
・検査結果は、電子カルテに対して、画像出力となり、データ形式はPNG、JPG、BMPです。画像サイズは1データがPNGの場合約20KB、JPEGで約100KB、BMPで約400KBということです。
・画像データのため、重ね書きができません。
・データ転送用パソコンはデータ転送時だけ起動すればよい。
・データを見る時は、データ転送用パソコンおよび電子カルテで見ることができます。但し、データ転送用パソコンでは、検査日がわからないと表示できません。
・電子カルテシステムとの連携(メーカーカタログより)
対応ID連携システム: Newve/NewveExceed(三洋電機)
MedicalStation(BML)
TOSMEC DRCOREシリーズ(東芝)
対応画像連携システム: Dr'spartner、Dr'spartnerfit(三洋電機)
EZCap Personal Plus(3Z)
TOSMEC DRCOREシリーズ(東芝)
・連携の仕様は、公開されますので、各社の電子カルテシステムで連携することが可能です。
・リオンでは、大学病院用のシステムとして、DF−60シリーズも用意しています。このシステムでは、リオンデータベースを備えており、数値データとして保存されますので、様々な加工、処理ができるようです。電子カルテに対しては結果を画像として出力します。また、オーダリングにも対応しているようです(50万円)。
○DF−70操作手順
・パソコンの電源をONにすると、autoexec でプログラムが自動的に起動します。
・被検者のIDを入力します。
・[問合せ]ボタンをクリックすると、電子カルテシステムより被検者の基本情報が取得され、[氏名][フリガナ][生年月日][年齢][性別]欄に表示されます。
・[検査者]の欄に検査者の名称をプルダウンメニューから入力します。
・検査(聴力検査・チンパノメトリ)を行います。
・検査装置(オージオメータ・インピーダンスオージオメータ)の[転送]ボタンを押すと検査データが転送され、検査結果表示エリアに表示されます(通信速度:2400bps
のため、数秒かかります)。
・[コメント入力]ボタンをクリックすると、検査結果には、コメントをつけることができます。
・[送信]ボタンをクリックすると、検査結果を電子カルテに送信することができます。
・電子カルテで、患者カルテを開き、[画像]ボタンをクリックすると、画像ファイルが開き、一覧が表示されるので、該当するデータをクリックして、[表示]ボタンをクリックすると、検査結果が表示されます。検査結果は印刷することができます。
・[2号紙追加]ボタンを押すと、2号用紙に画像マークが表示されます。
・画像マークだけでは、画像を開かないと何が入っているかわかりません。当院では、画像をクリップボードにコピーしてから、シェーマ図に貼り付けることにより、2号用紙にシェーマ図として表示するようにしています。
○DF−70を使ってみて
・導入してみて:感想としては、非常に使い易いソフトです。マニュアルもしっかりしていて、容易に設定ができます。
Aモリタ
・オージオメータ :SA-51A 698,000円+5,000円(取付費)
・インピーダンスメータ :SI-50I 700,000円+5,000円(取付費)
・ディスプレイ・プリンタ :SD-50D 490,000円+5,000円(取付費)
・SA/SI専用ソフト 100,000円
・SA/SI専用キット 200,000円
計 2,203,000円 + i-VIEWデータファイリングシステム(635,000円)
値引は、見積もりでは2割程度でした。
付)i-VIEWデータファイリングシステム(CRシステムと共用ができます)
専用PC Windows XP 40GB 225,000円
基本ソフトi-VIEW 2DM 350,000円
取付費 60,000円
計 635,000円
・データが数値データのため、表示には専用ソフトi-VIEW が必要であり、電子カルテ上に表示することはできない。
・i-VIEW を使うと、過去のデータとの重ね書きが可能である。
・データはi-VIEW のファイリングシステムの中に数値データとして存在するため、データを見るには、サーバとビューアを起動しておかなければなりません。
B永島医科器械 オージオメータ AD−2000 (2006.11発売)
・LAN端子を備えていますので、電子カルテと直接、LAN接続できるようです。
・Windows XP対応のカラープリンタを接続して、印刷ができます。
・問題は、電子カルテに対応したインピーダンスオージオメータがないことかと思います。
・価格は300万円と高価です。
○レントゲンCR機について
現在、耳鼻咽喉科医院用として、発売されているのは、知る限りでは下記の機種です。汎用機も流用可能ですが、高価です
@モリタ ディゴラPCT
AFUJIFILM FCR CAPSULA SYSTEM
BRF SYSTEM lab デジタルX線CCDイメージセンサー NAOMI
Cジーイー横河メディカルシステム T−FOCUS GDR
以上の4機種からの選択で、実績とマニアックな使用感のモリタがよいか、最新鋭のFUJIFILM がよいか、またまたCCDカメラを使っているためスキャンが必要ない
RF SYSTEM がよいのか迷うところです。電子カルテへの対応も大切です。
@モリタ Digora PCT
・DICOM 3.0対応
・専用ビューア兼ファイリングソフト i-VIEW (35万円) が用意されています。
・データ容量について
テ゜ィゴラPCTのイメージングブレートのデータ量は
六切 8×10インチ(四切 10×12インチも使用可能)の場合は:
ローモード :1206×1512ピクセル(182万画素)、1.8MB
ノーマルモード:1608×2016ピクセル(324万画素)、3.2MB
ハイモード :2378×2981ピクセル(708万画素)、7.0MB
・160GB IDE-RAIDモデルが2005年に発売になりました。
メーカーによると、この機種はハードディスクを3台搭載して、1台はプログラム専用、あとの2台は160GBでIDE-RAIDでオートバックアップ機能が装備されているそうです。
収納可能なデータ量は、X線画像のみの場合:六切・高解像度モードで約20,000データ
動画・静止画像のみの場合:動画20秒で約4,000データ+静止画約40,000データ
聴覚検査のみの場合:標準純音聴力検査 約14,000,000データ、インピーダンス 約2,000,000データ
と公表されており、年間X線画像2,000枚程度であれば、10年分近く保存できるわけで、十分な容量かと思われます。
・電子カルテとの連携は、患者カルテを開くと同時にビューアの画面に同じ患者のファイルが開くように設定するということです
機器 | 定価 |
---|---|
<ディゴラPCT関係> | |
Widows XP 160GB PCセット(17インチ液晶モニタ付) | \525,000 |
i-VIEW 基本ソフト2DM | \350,000 |
ディゴラ専用ソフト | \200,000 |
ディゴラ本体(六切IP、カセッテ付) | \2,980,000 |
イメージングプレート(六切) | \108,000 |
カセッテ(六切) | \42,000 |
無停電電源装置 | \27,800 |
<診察室用ビュアー> | |
Widows XP 40GB PCセット(スーパーマルチドライブ搭載) | \225,000 |
i-VIEW 基本ソフト2DM | \350,000 |
<諸経費> | |
取付調整費(運送費含む) | \120,000 |
計 | \4,927,800 |
値引は相当に堅くて、1割以下でした。
○電子カルテとの連携(i-VIEWファイリングソフト サンヨー電子カルテ連携 の場合)
電子カルテ側で患者カルテを開くと同時にビューアの画面に同じ患者の画像が開きます。また、電子カルテ側でも画像を参照することができます。
1)ID頭書き連携 350,000
ソフトウェアインストール 接続調整費 30,000
2)画像連携 追加費用 450,000
3)特別値引 40,000
計 790,000
(意見:連携費用としては、あまりにも高すぎると思います。半値にしてくれれば導入を考えてもよいと返答しておきましたが、その後、応答がなく、この価格で売りたいようです。そもそも、レントゲン写真はカルテに貼り付ける必要はなく、別系統のシステムにして、必要なときにID番号で検索して、ビューアで表示すればよいと思います。カルテには所見をスケッチしておけばよいのです。)
○ディゴラPCTが納入されました
2006.03.09ディゴラPCTが納入されました。長野県では、新井先生が最初で、小松、長島、山本先生と続いて、当院が5台目?ということです。
○ディゴラPCT操作手順
@Windows XP を起動します。
Ai-VIEWを起動して、パスワードを入力します。
BNew キーをクリックすると新規登録画面が表示されるので、患者姓名とID番号を入力して、患者情報を登録します。(レセコンまたは電子カルテとの連携ソフトを導入すれば、ID番号を入力するだけで患者情報を取り込むことができるはずですが、必ずしも必要なものではなさそうです)
C患者ファイルを表示した状態で、[データを取り込むフォルダに設定]ボタンをクリックすると、取り込み準備完了です。
DディゴラPCTの電源をONにすると約45秒かかって、自己テストを行い、スキャン可能状態になります。
E撮影済みのイメージングプレートをセットしてドアを閉めるとスキャンが始まります。スキャンとイメージングプレートの初期化に要する時間は、ハイモードで約3分、ローモードとノーマルモードで約2分35秒でした。
Fスキャンが終わると、ディスプレイ上に画像が表示されます。
G表示された画像を選択すると、ヒストグラムウィンドウを使って、グレイレベル、コントラストや拡大縮小を行うことができます。また、フィルタ処理やガンマ処理を行うことができます。
H画像を見終わったら、AllClose ボタンを押すと、ファイルが閉じます。
Ii-VIEWを終了します。
○データ量
ファイルデータを見た限りでは、1画像につき、ローモードで1.8MB(1.8MB)、ノーマルモードで3.1MB(3.2MB)、ハイモードで6.8MB(7.0MB)でした(カッコ内はカタログ掲載の数値)でしたので、だいたいカタログどおりです。
ディスプレイの解像度がXGA(1024×768ドット(78万画素))であることを考えると、ローモード:1206×1512ピクセル(182万画素)、1.8MB
で十分であるが、印刷する場合を考えると、ノーマルモード:1608×2016ピクセル(324万画素)、3.2MBくらいあったほうがよいのかもしれません。
○使用してわかったこと
・電源ONから画像を得るまでには5分程度の時間(撮影時間は除く)がかかります。思っていたよりは長いのですが、自動現像器を暖機して現像するのに比べれば、1/2〜1/3の時間ですので、まずまずかと思いました。
・ディゴラPCTとサーバ機はLANケーブルで繋がれます。サーバ機とクライアント機をLANでつなぐようにしましたが、クライアント機は必要ないかもしれません。サーバ機を診察室に置き、そこから直接LANでディゴラPCTに繋いでもそれほど不便ではありません。
・診察机上のクライアント機にはUSBテンキーを付ければ、キーボードが必要ないことに気がつきました。患者ファイルの検索には患者IDを入力するだけで、あとはマウスで操作できます。キーボードは邪魔なので、机の下にしまっておくようにしました。
・1日数枚の撮影であれば、診察室用ビューアを使用しない方法があります。サーバのディスプレイ出力をディスプレイ分配器で分配して、同じ画像を診察室に設置したディスプレイに表示します。診察室のUSBマウスとUSBテンキーを延長して、サーバを操作できるようにすると、サーバのみを起動するだけで、画像のスキャンと表示ができます。但し、平行して作業することはでません。これで、575,000円節約できます。
・ディスプレイは、通常のパソコン用のものを使用しています。他社のように高輝度のディスプレイを使用することはありません。もし、使用しても意味がないということでしょうか。
・画質については、臨床上はまずまず使えるかという程度かと思います。耳鼻科用CR機としては、最初に発売された機種であり、当時は画期的な製品でしたが、その後画質については目立った改良がありません。導入を検討されておられる方は、他社製品とよく比較検討されたほうがよいかと思います。
AFUJIFILM FCR CAPSULA SYSTEM http://fujifilm.jp/business/medical/digital/fcr/xray/capsula/index.html
・2006年1月25日発表
・一式価格 6,500,000円
(画像読取装置 FCR CAPSULA 本体および制御部 FCR CAPSULA VIEW (17インチ液晶モニタータイプ)(カセッテホルダー付制御部置台は別売)
・IPカセッテを入れるだけで、イメージングプレートが自動的に出し入れできます。
・最小限の構成では、画像読取装置FCR CAPSULA と画像制御表示装置1台になり、医師が画像読取の設定を行うようになるようです。
・バックアップはDVD-RAM を使用しているようです。
・うわさでは、耳鼻科頭部用は300万円台で購入できるそうです。
BRF SYSTEM lab デジタルX線CCDイメージセンサー NAOMI http://www.rf-wanwan.com/jp/index.html
・2008年4月のカタログによると、耳鼻科専用センサーでは、高感度モノクロCCDを、縦横に72個配列して、4,608×3936(1,814万)画素で、4,096階調(12bit)の画像を実現しています。2008年12月20日のカタログによると、六ツ切の場合は4608×3936(1814万画素)、大四ツの場合は4608×5904(2,721万画素)、半切の場合は6144×7872(4,837万画素)で、4,096階調(12bit)の画像だそうです。
・]線照射から画面表示まではわずか7秒だそうです。
・NAOMI専用20インチTFTモノクロ高輝度モニターの解像度は1600×1200 pixel (192万画素)で最大輝度は700cd/u、コントラスト比
1000:1、視野角度 170°(水平) 170°(垂直) だそうです。
・2008年12月現在の価格は
耳鼻科向けNAOMIセンサー(本体) 通常価格 2,625,000円、デスクトップ型パソコン通常価格 196,770円 計 2,821,770円 を補助金制度を適用した場合 2,021,770円
高輝度カラーモニター(オプション) 通常価格 210,000円 を 189,000円
高輝度モノクロモニター(オプション)通常価格 735,000円 を 367,500円 で販売していました。
・最近は、性能が安定したようで、拡販を行っており、アフターサービスも問題ないようです。
Cジーイー横河メディカルシステム T−FOCUS GDR
・耳鼻科用X線照射装置とフラットパネル式アモルファスシリコンを使用した撮影装置が一体化したものようであるが、詳細は不明です。
・定価は700万円程度とのことです。
○診察券発行について
当院のシステムでは、診察券はA6の厚紙(120g/u)の左上に、自家製で印刷した用紙を使うことにしました。A6の用紙であれば、レーザープリンタで氏名とID番号を印刷することができます。これを80×50mm切り取って、パウチしてカードサイズ(85×55mm)の診察券を作成することにしました。コストは、用紙代と印刷代で数円、パウチフィルムは7円なので、1枚あたり、10数円でカラー印刷のきれいな診察券ができます。
ユヤマのシステムでは、専用のカードプリンタ(30万円)を使えば、プラスチックカードに印刷できるようになるといいますがプラスチックカード1枚30円と割高である。
参考:診察券発行システム 「さっちゃん」について
メディコムから紹介されたシステムです。
・中島紙工株式会社 ナカシマコンピュータシステム部 http://www.nakashima.com の製品、診察券発行プリンタ 察ちゃん「さっちゃん」を使用します。
・さっちゃん専用オリジナル診察券(ペットカード)を使用し、サーマル方式で印字します。
2,000枚 | 3,000枚 | 5,000枚 | 10,000枚 | 初回制作費 | |
---|---|---|---|---|---|
表1色裏1色 | 68.00 | 53.50 | 41.50 | 32.00 | 14,000 |
表2色裏1色 | 73.00 | 57.50 | 44.50 | 33.50 | 16,000 |
表3色裏1色 | 77.50 | 61.50 | 47.50 | 35.00 | 19,000 |
表4色裏1色 | 82.50 | 66.00 | 51.00 | 37.00 | 21,000 |
システム価格は
診察券発行機本体 (NC-40KUR) 400,000円
診察券発行プログラム(NC-40SAR) 200,000円
特別値引 100,000円