新型コロナウイルス

このページでは新型コロナウイルスに関する情報と私見を述べさせていただきます。正否については各自で判断してください。

〇ダイアモンドプリンセス号が教えてくれたこと
 乗員(1045人)・(乗客2573人)がダイアモンドプリンセス号に隔離されたことは、貴重なデータを提供しました。一番注目すべきことは、全員にPCR検査が行われたことです。

ダイヤモンドプリンセス号乗員・乗客のPCR検査結果のまとめ (2月3日時点)
PCR検査前に
帰国した方 
PCR検査陰性者   PCR検査陽性者   
 乗客 2573人  乗員 1045人
有症状者  無症状病原体
保有者 
有症状者   無症状病原体
保有者
3711人 
93人 3618人 
2922人 (2922/3618=81%) 696人  (696/3618=19%) 
552人 (552/2573=21%) 144人 (144/1045=14%)
223人(223/552=40%) 329人 (329/552=60%) 63人 (63/144=44%) 81人 (81/144=56%) 

①ウイルスに感染しなかった人が2922人(81%)いたこと
 PCR検査対象者3618人のうち2922人が感染しませんでした。ウイルスが蔓延した環境の中でも、81%の人が感染しませんでした。夫婦で同室にいても、夫が感染しても妻が感染しなかった例もありました。要因として考えられるのは、過去に他のコロナウイルスに感染の既往があって交差免疫が働いたのか、感染しにくい体質であったことが考えられます。これはインフルエンザでも同様なことがあります。さらに詳しくみると、乗客2573人中感染者数は552人で21%の乗客が感染しました。乗員1045人中感染者数は144人で14%の乗員が感染しました。乗客に高齢者が多かったようなので、高齢者では21%の感染率、働き盛りの乗員の感染率は14%程度と考えられます。
②感染者数696人に対して、死亡者10人で死亡率は1.4%程度であること

 
したがって、新型コロナウイルスが全国的に広がった場合は、感染率が19%とすると、総感染者数は2400万人程度となり、総死亡者数は33万人程度となりますが、2018年の年間総死亡者数が136万人ですので、それほどビックリする数字ではないでしょう。
③潜在感染者数はどのくらいでしょうか。
 無症状病原体保有者はある症状者の1.43倍(329+81/223+63)いたということで、3月31日現在の国内で確認された感染者数1935人であるので、実際の感染者数は2800人程度いると思われる。また、3月31日現在の国内での死亡者58人と発表されていますが、死亡率1.4%とすれば、感染者数は4142人と推定されます。いずれにしても多数の潜在感染者がいて、この人たちが感染を広めており、感染の制御は不可能でしょう。

〇子どもから成人に感染した事例は確認されなかった。
 【北京共同】世界保健機関(WHO)と中国の合同専門家チームは1日までに、新型コロナウイルスによる肺炎に関する調査報告書を公表した。2月20日までに中国で感染が確認された約5万6千人を追跡調査。中国国内で人から人への感染は主に家庭内で起きていたと指摘、感染者の死亡率は3・8%で、80歳を超えた人は最も高く21・9%に上ったとしている。

 専門家チームは2月16~24日に湖北省武漢市や広東省、北京市などを視察。報告書は、家族内で持続的な感染が起きたケースがあったと説明。同20日までに2千人余りの医療従事者の感染が報告され、多くが病院ではなく家庭内で感染したとみられるとした。
 死亡率は武漢市で5・8%、その他の地域では0・7%だった。高齢者や、心臓血管疾患、糖尿病、高血圧などの持病がある人ほど高くなる傾向にあったという。
 多かった症状は、発熱(87・9%)空せき(67・7%)倦怠(けんたい)感(38・1%)せきとたん(33・4%)息切れ(18・6%)喉の痛み(13・9%)などだった。感染後、平均して5~6日で症状が出ていた。感染者の約80%は軽症で、肺炎の症状がない人もいたという。
 感染者のうち18歳以下の子どもが占める割合は2・4%と比較的低く、子どもから成人に感染した事例は確認されなかったとしている。(2020年03月02日(月)09:00配信 共同通信社 医療)
 令和2年2月27日、安部晋三首相は、私立を含め全国すべての小中学校、高校、特別支援学校に、3月2日から春休みに入るまで臨時休校とするよう要請した。その理由として「流行を早期に終息させるか、感染拡大を続けるかは、ここ1~2週間が極めて重要な時期だ」と指摘したが、要請前3週間の発症者は38人だったのに対して、要請後3週間の発症者は134人と3.5倍に増えていることが明らかになった。

〇子供も感染しやすい 新型コロナ、全体の感染率は8%程度 米中チーム
 1月中旬から2月にかけて中国湖北省から深☆市を訪れた人で、新型肺炎を発症した300人に着目。その人たちと濃厚接触があった約1300人を特定し、感染したかどうかを調べた。
 接触者のうち、感染した人の割合を感染率として算出すると、全体では8%程度だったのに対し、9歳以下は7・4%、10代は7・1%と大差なかった。20代は6・1%、30代は6・0%、40代4・9%、50代は9・1%だった。最も感染率が高い世代は60代で15・4%、70代は9・7%だった。
 これまでの中国内の研究では子どもの患者が少ないとのデータもあるが、ジョンズ・ホプキンズ大のジャスティン・レスラー准教授は「感染のしやすさは子どもも大人も同じ。子どもは重症化しにくいだけなのかもしれない」としている。(2020年03月09日(月)09:00配信 共同通信社)

〇専門家会議4月1日提言 子どもは感染拡大の役割をほとんど果たしていない
 「現時点の知見では、子どもは感染拡大の役割をほとんど果たしていないと考えられる」「子どもの感染は学校ではなく家庭内で起きている」との認識を示した。
 安部晋三首相の要請を受け、全国各地の小中高校などは3月、一斉休校に踏み切った。専門家会議の脇田隆字座長は「政府から国民に対策を呼び掛ける意味ではインパクトがあった」とした。

〇主に発症者から感染 無症状からは少数とWHO
【ジュネーブ共同】世界保健機関(WHO)は2日、新型コロナウイルス感染症では主に発熱やせきなどの症状を示した患者から他人に感染しており、症状が出ていない患者からの感染例は少ないとする研究結果を明らかにした。

 WHOによると、感染経路としては、感染者のせきなどによる飛沫(ひまつ)感染や、ウイルスが付着したドアノブや手すりなどに触れた手で目や鼻などを触る接触感染がある。患者が発症してから最初の3日間に、鼻やのどからのウイルスの排出が最も多いことが分かったという。 また、感染から発症までは平均5~6日の潜伏期間があるが、14日間に上る例もあった。潜伏期間中に人にうつす可能性は否定できないとしながらも、感染拡大の主な要因は発症した患者からと分析した。 また、感染しても症状が全く出なかったケースもあった。無症状の患者から他の人への感染はこれまで確認されていない。WHOは症状の有無にかかわらず、ウイルス検査で陽性となった人は感染者と定義している。(2020年04月03日(金)15:00配信 共同通信社 医療)

〇感染症発生動向調査及び積極的疫学調査により報告された新型コロナウイルス感染症確定症例516例の記述疫学(2020年3月23日現在)
性別
 男性285例、女性231例で、男女比は1.2:1で男性に多かった。
年齢 10歳未満1.2%、10代0.6%、20代8.9%、30代10.1%、40代11.4%、50代16.9%、60代19.0%、70代24.0%、80代7.6%、90代以上0.4%であり、60代以上で約5割を占めた。
主な症状 発熱79%、咳76%、肺炎63%、全身倦怠感47%、咽頭痛29%、鼻汁・鼻閉25%、頭痛24%、下痢19%、関節・筋肉痛14%、嘔気・嘔吐6%、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)4%、結膜充血2%
医療的介入 ICU入室11%、侵襲的喚起(気管内挿管等)14%、対外織膜型人工肺(ECMO)使用が18例(40代2例、60代5例、70代9例、80代2例)であった。
 (国立感染症研究所 2020/4/6)

〇新型コロナウイルス「大半は軽度」 中国大規模調査

リスクが高いのは高齢者と基礎疾患のある人

 症状については全体の約80.9%が軽度、13.8%が重度で、致命的と分類された人は4.7%にとどまった。死亡率が最も高いのは80歳以上の人で14.8%だった。
 基礎疾患を抱える人で死亡率が最も高いのは心疾患の人で、次いで糖尿病、慢性呼吸器疾患、高血圧の順だった。
 9歳以下の子どもの死亡例はないが、母親を通じて感染した新生児の症例は少なくとも2例分かっている。
 39歳以下の患者の死亡率は0.2%で、依然として低い水準にとどまっている。死亡率は年齢とともに上昇する。40代は0.4%、50代は1.3%、60代は3.6%、70代は8.0%だった。また、男性の死亡率は2.8%で、女性の1.7%を上回っている。新型コロナウイルスによる全体の死亡率は2.3%。
 (国際医学短信 2020年2月19日(水)配信)

〇新型コロナ死者、70歳以上が8割・・・感染者は若い世代多く

感染者の年代別人数 (計7121人)
1-9 10代 20歳代 30歳代 40歳代   50歳代 60歳代  70歳代  80 90
不明
 103 167 1182人 1128人 1199人  1200人  809人  649人  376 120 188 

死者の年代別人数 (計102人 40歳未満は0人)
40 50歳代  60歳代 70歳代 80歳代  90歳以上 
 2  6人 9人 37人  36人  11人
年代別死亡率
40歳未満  40歳代  50歳代 60歳代 70歳代  80歳代  90歳以上  平均 
 0% (0/2580) 0.17% (2/1199)  0.50% (6/1200) 1.11% (9/809) 5.70% (37/649)  9.57% (36/376)  9.17% (11/120)  1.43%(102/7121) 

年代別重症者
40歳代以下   50歳代 60歳代 70歳代  80歳代  90歳以上  平均 
少数 日本は超過死亡でも、マイナス2万1000人と逆転し、死亡数が減ったことを裏付けた。 2.17%(26/1200) 4.82%(39/809) 4.93%(32/649) 1.20%(135/7121)

 厚生労働省は13日、新型コロナウイルスの感染によって死亡した人の年代別の人数(クルーズ船を除く)を公表した。70歳以上が全体の8割を占めた。中年でも亡くなる人がおり、厚労省は、手洗いの徹底に加え、感染が起きやすい「密閉」「密集」「密接」の3密の環境を避けるよう呼びかけている。
 厚労省は12日午後6時時点の死者数をまとめた。その結果、死者は計102人に達し、年代別では70歳代が37人で最も多く、80歳代が36人、90歳以上が11人と続いた。40歳代は2人、50歳代が6人。60歳代は9人。40歳未満では死者は出ていない。1人は非公表。
 重症者や感染者の人数も年代別に集計した。重症者は計135人おり、60歳代が39人、70歳代が32人、50歳代が26人。40歳代以下でも重症化するケースがあった。
 計7121人の感染者の内訳を見ると、全世代に広がっているものの、比較的若い世代、就業している世代が多い。20歳代~50歳代は各年代とも1200人程度おり、60歳代の809人、70歳代の649人を上回っている。(読売新聞オンライン2020/04/14 13:14より)

〇「アビガン」中国での臨床効果は良好
 中国の「科技日報」社は、ファビピラビル「アビガン」には副作用がなく、患者の回復が良好であると報告している。特に発熱患者に解熱効果があり、薬を服用してから2日以内に約72%解熱、3日以内に肺の画像から38%改善、6日目には70%改善が見られたと報告している。
(2020年3月2日11時12分 サーチナ)


〇レムデシビル「コロナ治療効果あり」

 治験では、退院するか、日常生活に戻るまでの回復期間を比較している。プラセボ群では、治療を始めてから回復するまでの期間の中央値が15日であったのに対し、レムデシビルを投与した群は11日と、31%の改善効果が見られたとNIHは評価している。患者の死亡率も比較対象になっている。プラセボ群の死亡率は11.6%だったのに対し投与群では8.0%と、わずかではあるが死亡率も改善傾向にあった。ただし米食品医薬品局(FDA)は緊急使用を決めた発表文の中で「安全性と有効性は限られている」と指摘するなど、現時点では、決め手に欠け、特効薬とまでは言えないのが実情だ。
 一方、同じ4月29日、中国の研究者が実施した治験がイギリスの有力医学誌に発表されたが、この治験では、顕著な効果が見られなかったとしている。感染者237人を対象にレムデシビルを投与した群と、投与しなかった群との比較試験をしたが、感染者の減少で治験対象者が集まりにくかったことから途中で打ち切られた治験だった。
 (石阪友貴:東洋経済記者 2020/04/30 17:40 )

〇COVID-19の流行は暖かくなっても収束しないであろう
 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)はインフルエンザと違って、暖かくなっても収束に向かう可能性は低いことが、復旦大学(中国)のYe Yao氏が主導した研究で示された。詳細は「European Respiratory Journal」4月9日オンライン版に発表された。
 (HealthDay News 2020/04/21)

〇コスタ・アトランチカでは24% (148/623) の感染率であった
 クルーズ船「コスタ・アトランチカ」では、乗務員623人のうち148人が、新型コロナウイルスに感染していることが確認された。重症で入院しているのは1人だが、長崎県は最大で感染者の2割にに相当する約30人に入院の可能性があると推測する。
 (信濃毎日新聞 2020年4月27日)
 濃厚接触しても76%の人は感染しなかった。

〇新型コロナ再感染せず 中国チーム、サルで実験

 新型コロナウイルスに感染していったん抗体ができると、その後同じウイルスに再感染しないことをサルを使った実験で確認したと、中国の北京協和医院などのチームが19日までに発表した。
 中国広東省では患者の14%ほどが回復・退院後にウイルスに陽性反応を示し、日本でもいったん陰性となった人が、間をおいて陽性となった例がある。再び感染した恐れもあるが、チームは「陰性の結果が間違っていたのではないか」とし、下気道から検体を取ったり、抗体の有無を調べたりすることが重要だとした。
 実験ではアカゲザル数匹に気道を通じてウイルスを感染させた。3日ほどで排出されるウイルス量が増え、7日後には肺に病変も見つかった。しかしおおむね2~4週間で抗体が増加し回復した。
 一部のサルに、最初の感染から4週間後、同じウイルス株を同じ手法で再感染を試みたが、症状は出ず、体内でのウイルス増殖も確認されなかった。また1回だけ感染させたサルにも再発はなかった。チームは「しっかりと抗体ができれば再発も再感染もない」と結論づけた。
 (2020年03月19日(木)15:00配信 共同通信社 医療)

〇新型コロナの抗原検査キット、初承認  症状ある患者、30分程度で確定診断可能に
 カセットに検体を含む液を滴下して、約30分後に判定ラインの有無を確認することにより陽性か陰性か判定する仕組みで、審査では一定量以上のウイルスを有する検体に対してPCR検査と比較して約8~9割の陽性一致率を示した。
 (2020年5月12日 m3.com編集部)

〇唾液でPCR検査可能に 採取簡単、実施件数増加も
 北海道大の豊嶋崇徳(てしま・たかのり)教授(血液内科学)は4月下旬以降、従来の手法でPCR検査を実施して陽性と確認された約10人に対し、唾液を検体としてPCR検査を実施したところ、9割以上で陽性になったという。
  米国では鼻から採取した検体より、唾液の方がウイルスの検出感度が高かったとの報告もあり、食品医薬品局(FDA)は8日、唾液を使った検査キットについて緊急使用許可を出した。
 (2020年5月12日 共同通信社)

〇新型コロナ 無症状でPCR「非効率」 発症前日、陽性的中33% 米チーム研究
 新型コロナウイルスの感染者が、発症する前日にPCR検査を受けても、「陽性(感染者)」と判定されたのは3人に1人にとどまるとの分析を、米ジョンズ・ホプキンズ大のチームがまとめた。発症4日前では皆無だった。新型コロナは発症前でも感染力が強く、症状のない人も広く検査すべきだとの声もあるが、PCR検査だけでは感染者の特定に非効率で、今後、慎重論も出そうだ。
 チームは、欧米や韓国などで行われた7研究(患者数計1330人分)のPCR検査データを基に、発症前後で感染者を陽性と判定できるかどうかを分析した。
 その結果、発症4日前に陽性だったのは0%で、前日でも33%にとどまることが分かった。発症日でも62%で、3人に1人は陽性と判定されなかった。的中率が最も高くなったのは発症3日目の80%で、それ以降は低くなった。

〇新型コロナ発症から10日で退院可能厚労省、4日短縮
 
厚生労働省は12日、新型コロナウイルスに感染した人の退院と、宿泊療養の解除の基準を変更した。発症から14日間だったのを10日間に短縮した。世界保健機関(WHO)が基準を変えたことなどを受けて見直した。
 新しい退院基準は、発症から10日間経過し、かつ熱が下がるなど症状が軽快してから72時間過ぎればPCR検査なしで退院できるとした。10日たたずに症状がよくなった場合はこれまで同様、PCR検査を24時間以上間隔を空けて2回連続で陰性だと退院可能とする。
 無症状の場合は、陽性と判明した検査の検体採取日から14日経てば退院可能だったのを10日に改めた。さらに、検体採取日から6日間経過後、24時間以上間隔を空けて2回、PCR検査で陰性を確認できれば退院できるというルールを新たに設けた。
 軽症者と無症状者の自宅や宿泊療養の基準は、退院の基準と同じにする。
 (2020年06月12日(金)21:39配信 朝日新聞社 医療)

〇休業要請はやりすぎた? 吉村知事{検証を」


 大阪府は12日、新型コロナウイルスの専門家会議を開き、これまでの感染状況や対策についての検証を始めた。オブザーバーとして参加した専門家2人は感染のピークは3月28日ごろで、4月7日の緊急事態宣言に伴う休業要請などは効果が薄かったと指摘。吉村洋文知事は、次の感染拡大期には休業要請の範囲を狭めたい考えを示したが、変更には慎重な意見も相次いだ。
 オブザーバー2人は中野貴志・大阪大核物理研究センター長と宮沢孝幸・京都大ウイルス・再生医科学研究所准教授。専門家会議に今回、初めて出席した。府内の発症者が多かったのは4月1日の67人と同月3日の69人。2人は3月28日ごろが感染のピークだったとの認識を示した。
 「収束は自粛によるものではない」
 中野センター長は「大阪の収束スピードは全国平均と非常に近い」とした上で、緊急事態宣言の効果について「極めて限定的。経済を止める必要はない。止めても新型コロナは止まらない」と強調した。「自然減の傾向が強く、欧米のような感染爆発は起きない」とも述べた。府が3月に呼びかけた大阪・兵庫間の往来自粛要請についても「たぶん効果はなかった」とした。
 宮沢准教授も「(感染の)収束は緊急事態宣言後の自粛によるものではないのは明白」と言い切った。新型コロナは、せきやつばで感染すると説明。それを防げば、政府が掲げた「接触機会の8割減」は過剰な取り組みだとし、休業要請についても「(客が)黙っている映画館まで規制をかけるのはおかしい」と批判した。一方で、マスク着用や飛沫(ひまつ)感染が起きやすいカラオケ店などへの休業要請は効果的だと指摘した。
 (2020年06月12日21時39分)
 収束は春になって暖かくなってきたからではないか。

〇COVID-19血漿療法試験、中国103例の報告で、臨床的改善を増加させなかった
 重症/重篤の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の治療において、標準治療に回復期血漿療法を併用するアプローチは標準治療単独と比較して、28日以内の臨床的改善(生存退院、重症度の低減)を増加させなかったとの研究結果が、中国医学科学院のLing Li氏らによって報告された。研究の詳細は、JAMA誌オンライン版2020年6月3日号に掲載された。
 (2020/06/16 ケアネット)

〇ステロイド剤、重症のコロナ患者に効果か 英大発表
 
英オックスフォード大は16日、抗炎症作用のある一般的なステロイド剤が、新型コロナウイルスの重症患者の死亡率を減らすのに効果的だとする臨床試験(治験)の結果を公表した。世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長も「酸素治療や人工呼吸器が必要な患者の死亡率を下げることが示された最初の治療法だ」と歓迎する談話を出した。
 この薬剤は「デキサメタゾン」。免疫疾患やアレルギー疾患などに長年広く用いられてきた薬で、比較的安価で入手しやすい。同大の発表によると、1日6ミリグラムのデキサメタゾンを経口または注射で10日間投与された2104人と、通常の治療のみを受けた4321人を比較した。
 その結果、通常の治療のみを受けた場合、28日後の死亡率は、人工呼吸器をつけた患者で41%、酸素吸入を必要とする患者で25%だったが、デキサメタゾンの投与を受けると、死亡率を、人工呼吸器をつけた患者で3分の1、酸素吸入器をつけた患者で5分の1、それぞれ減らすことが出来たという。呼吸の補助を必要としない患者では効果が確認されなかった。
 (2020年06月17日(水)10:27配信 朝日新聞社 医療)
 初期の頃、ステロイドは効果ないという報告もあったが、やはり、間質性肺炎の治療には、ステロイドが効果あるはずである。

〇アビガンの有効性、確認できず コロナ治療で藤田医大
 新型コロナウイルスの治療薬候補の一つ「アビガン(一般名ファビビラビル)」について、臨床研究をしている藤田医大(愛知県)が10日、オンラインで会見し、患者の体内のウイルスが消えるなどの効果は統計的に確認できなかったと発表した。ウイルスが消えたり、熱が下がったりする傾向はあったものの、研究に参加する患者が少なく、統計的な差は出なかった、としている。
 研究は国内の47の医療機関で、3月から患者計89人を対象に実施した。研究が始まる前に検査で陰性になるなどした20人を除き、(1)参加初日から10日間アビガンを使うグループ(36人)と、(2)初日から5日間は使わず6~15日目まで使うグループ(33人)に分け、6日目までのウイルスの消失率や体温が37・5度未満に下がるまでの時間を比較。アビガンの使用の有無によって差が出るか調べた。
 6日目までのウイルスの消失率は(1)では約67%、(2)では約56%。解熱までの時間は(1)で平均2・1日、(2)で3・2日。いずれも統計的な差はなかった。一方、重症化したり亡くなったりした人はいなかったという。
 研究責任医師の土井洋平教授(感染症科)は「5月の大型連休以降、患者が減り、研究の参加者を集めるのが難しくなった。参加者が増えれば統計的な差が出たかもしれないが、流行状況を考え、予定通り研究を終了し、データを公開するのが適切と判断した」と話した。(合田禄、三上元)
  (大学 2020年7月11日(土)配信 朝日新聞)

〇国内感染死者1000人超 大半は60歳以上
厚生労働省が7月15日時点でまとめたクルーズ船を除く国内死者981人の集計では、80代以上が半数超の556人。70代が268人、60代が101人で60代以上が全体の9割以上を占めている。感染した人のうち何人が死亡したかを示す致死率は4.4%。年代別では80代以上が28.3%、70代が14.2%と高かったのに対し、30代は0.1%となるなど若いほど低かった。
 (信濃毎日新聞2020年7月21日)

〇ワクチン接種でむしろ重症化?
 抗体依存性感染増強(ADE:antibody-dependent enhancement)は、初めての感染のときよりも2回目の感染の方が重症化しやすくなる現象で、デングウイルス感染症などで確認されている。2回目の感染時に、初回感染時の免疫記憶に基づいて、ウイルスを排除する抗体以外の悪玉抗体(中和作用のない抗体)ができることがある。この悪玉抗体は、ウイルス排除に効果を発揮しないばかりか、ウイルスを結合した状態で単球やマクロファージなどに取り込まれ、むしろこれらの細胞に感染してウイルスの増殖を許してしまい、結果的に重症化を招くと考えられる。ADEは、ワクチン接種後にも起こり得る。
 (NIKKEI MEDICAL 2020.08 P46-47)

〇入院患者の死亡割合低下
 入院患者の死亡割合は、国立国際医療研究センターが全国の入院患者約6100人のテ゜ータを分析した。6月5日以前は入院時に重症だった人の死亡割合が19.4%だったのが、6日以降は10.1%に減少した。年代別では50~69歳の低下が目立ち、10.9%だったのが1.4%となった。
 (信濃毎日新聞2020年9月11日)

〇アビガン、年内にも承認の可能性「早期に症状を改善」
  富山化学は3月末~9月中旬、20~74歳の重症でない新型コロナウイルス肺炎の患者156人を対象に治験を実施した。アビガンを飲んだ患者では、解熱や肺機能の改善が進み、かつPCR検査の結果が陰性になるまでにかかる日数の中央値が11・9日で、偽薬を飲んだ患者の14・7日より2・8日短くなったという。
 同社は「早期に症状を改善することを統計的有意差をもって確認できた」としている。また、これまで報告されている尿酸値の上昇や肝機能の低下などの副作用以外に「安全性の新たな懸念は認められない」とした。
 (2020年9月23日(水)21:45配信 朝日新聞社 医療)

〇【独自】 検査は鼻入り口の粘液で、患者が採取OK…医師らの感染リスク軽減も
 厚労省研究班は、新型コロナの患者らの鼻の入り口付近の粘液を使い、PCR検査や抗原検査(簡易キット)などを行った。いずれの検査も、鼻の奥の粘液を使った場合とほぼ同じ結果が得られた。厚労省は、症状のある人の検査に使うことを目指している。
 (20/09/24 記事:読売新聞 提供:読売新聞)

〇レムデシビル「死亡率の改善効果ほぼなし」WHOが発表
 WHOは、既存薬が新型コロナに効くかどうかを試す「連帯治験」という国際協力の枠組みを使って調べた。30カ国の405の病院で計1万1266人の成人が無作為に選ばれ、薬を使う人と、使わない人の死亡率の違いを見た。その結果、レムデシビルについては死亡率改善や入院期間短縮に、「ほとんど効果がない」とした。
 (2020年10月16日(金)配信 朝日新聞)

〇コロナワクチン「効果9割超」 米ファイザー許可申請へ
 ファイザーによると、最終の第3相の治験には4万3千人あまりが参加。ワクチン候補と偽薬を投与するグループ二つに分け、それぞれ2回接種し、効果と安全性を確かめている。これまでのところ治験参加者で陽性が確認されたのは94人。偽薬投与者が多いとみられる。発表された「90%以上の予防効果」は、当初予想された60~70%を大幅に上回る。FDAは少なくとも50%以上の効果があることが正式な薬事承認の条件としている。
 (2020年11月09日(月)23:01配信 朝日新聞デジタル(アピタル) 医療)

〇コロナワクチン、今度は「94.5%」効果 米モデルナ
 モデルナによると、最終の第3相の治験には3万人以上が参加。2グループに分け、一方にはワクチンを2回、もう一方は偽薬を2回投与した。これまで新型コロナの症状が出たのは95人で、うち90人が偽薬、5人がワクチンを接種した人だった。重症化した人も11人いたが全て偽薬を投与された人だったという。
 副反応は、倦怠(けんたい)感や筋肉痛、関節痛、接種箇所の紅斑などで、これまでのところ「明らかな安全性の懸念は報告されていない」としている。ただ、治験結果は今後、専門家の査読を受けた論文として発表するとしている。
 (2020年11月17日(火)00:25配信 朝日新聞社 医療)

〇レムデシビル使用推奨せず WHO指針、コロナ治療で
 【ジュネーブ共同世界保健機構(WHO)は20日、新型コロナウイルス感染症の治療薬として米食品医薬品局(FDA)が正式承認した抗ウイルス薬レムデシビルについて、症状の軽重にかかわらず、使用は推奨しないとの指針を公表した。致死率や酸素吸入の必要性などの改善につながらなかったとしている。
 WHOによると、レムデシビルは点滴で5~10日間かけて投与されるため、医療機関に負担もかかる。また費用は5日間で2300~3100ドル(約24万~約32万円)ほどと比較的高価なことなども踏まえ、今回の結論に至ったとしている。
(2020年11月20日(金)配信 共同通信社)

〇コロナ禍でかえって死亡者数が例年より減っている
新型コロナ感染症の死者数はこれまでの総計で約1500人、月別にすると数百人、というところでしょう。日本人の総死亡者数は月に10〜15万人ですので、コロナの数百人は誤差範囲だったのかもしれません。
 (2020年12月03日(木)00:00公開 森田 洋之 医療)

〇アビガン有効性判断は困難
 企業が公表した治験結果によると、重篤ではない患者156人を対象に実施。アビガンを投与した患者群は、症状が軽快しPCR検査で陰性化するまでの期間が偽薬を投与した患者群より約2・8日短かった。 ただ医師側が、アビガンと偽薬のどちらを患者に投与したかが分かる「単盲検」という手法で行われており、医師、患者共に本物かどうか分からない「二重盲検」に比べて科学的な根拠が劣る。
 (2020年12月17日(木)配信 共同通信社)

〇死者、院内感染が半数以上 もともと重篤な患者に拡大 /福島
 新型コロナウイルスに感染し、その後死亡した県内の患者34人(16日時点)について、半数以上は病院の入院患者や高齢者施設の入所者だった。もともと重篤な病気を抱えていた患者に感染が広がり亡くなったケースが多く、直接死因が同ウイルス感染症でない人も半数以上にのぼった。県は院内感染を防ぐために、地域全体での感染対策の徹底を呼び掛けている。【高橋隆輔】 県が18日、発表した。死者34人の内訳は、男性20人、女性14人。年齢別では、90代7人▽80代16人▽70代9人▽60代1人▽50代1人。 死者の多くを占めていたのが、感染以前から重篤な病気を抱えて入院していた患者。その大半で新型コロナ感染症は重症化しておらず、もともとの病気が死因となっていた。 死者の平均年齢も男性79・8歳、女性86・7歳で、県の平均寿命(男性80・12歳、女性86・40歳)とほぼ同じだった。
(2021/01/20 記事:毎日新聞社)

〇死亡率 高齢者ほど高く  /長野
 死亡した34人の性別は男性が23人、女性が11人で、年代は80代が最多の13人で38%を占めた。次いで90代以上が10人(29%)、70代が8人(24%)、60代が3人(9%)で平均年齢は83.2歳。全感染者2256人のうち60代以上は638人で28%にすぎないが、死者は34人とも60代以上。死亡率は全世代では1.5%。年代別では高いほど上昇し、90代以上で23.3%、80代で11.2%、70代で3.8%、60代で1.1%だった。基礎疾患があって亡くなったのは27人で全体の79%であり、心血管疾患やがん、肺気腫などの呼吸器疾患、高血圧、糖尿病などだった。
 (2021/01/30 信濃毎日新聞)

〇ファイザー社製コロナワクチン、有効率は1回接種でも90%
 今回のHunter氏らの研究では、イスラエルの新型コロナワクチン接種に関する一次データを用いて、単回接種後、1日ごとの罹患率と接種後13〜24日目における有効性を推定した。
 その結果、COVID-19の罹患率は、8日目までに約2倍に増加した後、減少に転じ、21日目まで減少し続けた後、極めて低水準で推移する可能性のあることが明らかになった。8日目までの罹患率上昇の理由をHunter氏らは、「1回目の接種を終えた安心感で感染予防対策が甘くなったせいかもしれない」と推定している。一方、ワクチンの有効率は、接種後14日目までほぼゼロで、それ以降は徐々に上がり、21日目までに91%に達し、その後はその水準で横ばいになったという。
 (2021年02月16日(火) 00:00 公開 ヘルスでージャパン 医療)

〇死亡数、コロナ禍で減少・・・心疾患やインフルエンザ軒並み減少
 日本の昨年の全死亡数は約138万人で、前年より9373人減った。死因別では、昨年1〜9月、肺炎死が前年同期より1万2456人減の5万8822人だった。インフルエンザは同2314人減、心疾患は同4573人減などと軒並み減少した。
 日本は超過死亡でも、マイナス2万1000人と逆転し、死亡数が減ったことを裏付けた。
 (2021/02/23 記事:読売新聞 提供:読売新聞)

〇ファイザー製「半年効果」・・・ワクチン臨床試験
 【ワシントン=船越翔】米製薬大手ファイザーは1日、自社の新型コロナウイルスワクチンの臨床試験で、2回目の接種から7日~半年後の新型コロナ発症者の数を調べた結果、ワクチンの有効性は91.3%に上ったと発表した。ファイザーは「ワクチンの効果は少なくとも半年間続く可能性が示された」としている。

 ファイザーは昨年11月、約4万4000人が参加した臨床試験で、発症を防ぐ有効性が95%に上ったと発表した。効果の持続時間を検証するため、参加者をその後、3月中旬まで観察していた。今後も観察を続ける方針だ。

 ファイザーはまた、800人が参加したワクチンの臨床試験で、感染力の強い南アフリカ由来の変異ウイルスに対する有効性が100%だったと発表した。
 (21/04/03 記事:読売新聞 提供読売新聞)


〇国内の発生状況
国内の発生状況など|厚生労働省 (mhlw.go.jp)


〇日本COVID-19対策ECMOnet COVID-19 重症患者状況の集計
COVID-19 重症患者状況 (ecmonet.jp)

〇長野県内死亡率 全体では2% 年齢が上がるほど上昇
 90歳以上の感染者83人で22人が死亡(死亡率27%)、80代は215人のうち29人(死亡率13%)、70代は348人のうち13人(死亡率4%)、60代は434人のうち4人(死亡率1%)、50代以下では死亡者がいない。変異株感染者の死者はいないという。
 死亡者68人のうち、基礎疾患のある患者は60人で全体の死者の88%に上った。主な基礎疾患として、重症化の危険が高いとされる呼吸器疾患や心血管疾患、脳血管疾患の他、高血圧や糖尿病などが確認された。
 性別で見ると、感染者は男性53%(2018人)、女性47%(1786人)だったのに対し、死亡者は男性71%(48人)、女性29%(20人)で男性の割合が高かった。
 死亡者の年代別割合は、80代が最多の43%、次いで90歳以上が32%、70代が19%、60代が6%だった。
 (2021/04/29 信濃毎日新聞)


〇解凍後1カ月保存可能に 米ファイザー製ワクチン

 米食品医薬品局(FDA)は20日までに、米ファイザーの新型コロナウイルスワクチンについて、解凍後は2~8度の冷蔵庫で1カ月保存することを許可したと発表した。これまでは5日間保存できるとしていた。
 (21/05/20 記事共同通信社)

〇各社のコロナワクチンとインフルエンザワクチン同時接種の有効性・安全性に問題はない

<同時接種の有効性>
ファイザー社・アストラゼネカ社:2回目接種において、ファイザー社またはアストラゼネカ社ワクチン単独接種と比べ、新型コロナウイルス抗スパイクIgG抗体価は有意差がなかった。さらにファイザー社ワクチンとの同時接種においてインフルエンザの一部の株に対するHI抗体価の上昇がみられた。
モデルナ社:追加接種において、インフルエンザワクチン単独またはモデルナ社ワクチン単独接種と比べて、インフルエンザHI抗体価、新型コロナウイルス抗スパイクIgG抗体価共に低下はなく、免疫干渉はないと報告された。
武田社:初回接種において、インフルエンザワクチン単独接種と比べて、インフルエンザHI抗体価は同程度に上昇した。また、両ワクチンの同時接種による新型コロナウイルス感染症発症予防効果は87.5%と、武田社ワクチン単独接種の89.8%と同程度であった。

<同時接種の安全性>
ファイザー社・アストラゼネカ社:観察期間を通じた全身副反応報告割合は非同時接種群と比較して、同時接種群でも同程度であり、同時接種での安全性の懸念は認められなかった。
モデルナ社:接種後21日間に報告された有害事象は同時接種群17.0%、モデルナ群14.4%、インフルエンザ群10.9%であり、同時接種での安全性の懸念は認められなかった。
武田社:接種後21日以内に報告された有害事象は同時接種群18.4%、ノババックス群17.6%、インフルエンザ群:14.5%で同時接種により安全性の懸念が増すことはなかった。
ュ2022/7/27ケアネット)


〇新型コロナワクチン4回目接種の効果は限定的である


3回目接種から4ヵ月以上経過した60歳以上において、オミクロン株流行期におけるファイザー社ワクチン4回目接種による感染予防効果は、4回目接種後22~28日後には約50%であったが、50~56日後には約9%である一方、重症化予防効果は4回目接種後36~42日後においても77%であったと報告されている。また18歳以上の医療従事者を対象とした前向き臨床研究では、オミクロン株流行下においてファイザー社またはモデルナ社ワクチン4回目接種の感染予防効果は、3回目接種と比較してそれぞれ30.0%および10.8%であり、発症予防効果についてはそれぞれ43.1%および31.4%であったとの未査読の研究報告がある

(2022/07/27 ケアネット)

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