平成19年3月13日更新
○電子カルテ選びのポイント
@画面レイアウト
a)上下型:過去カルテと当日カルテを上下に表示します。トイレットペーパー方式とも呼ばれます。
b)左右型:過去カルテと当日カルテを左右に並べて表示します。見開き型とも呼ばれます。
c)自由型:自由な位置にウインドウを開いて、表示します。
A主訴経過所見欄の入力方法
a)「テンプレート」方式:症状、所見を記入する枠を用意して、プルタ゜ウンメニューから選択したり、チェックボックスを使って記入する。
b)「用語選択」方式:定型文を用意しておき、その中から選択しながら文にしていく。
c)「手書き」方式:ワープロ入力していく。
Bオーダ入力方法
a)検索方式:頭3文字程度を入力して、目的とするものを検索して、入力する。
b)ツリー方式:ツリー状に検索表示されたものの中から、選択入力する。
c)一覧表に表示されたものの中から、選択入力する。
C一体型か別体型か
a)一体型:電子カルテとレセコン機能が一体になっており、医師が承認すると、すぐに処方箋と領収書が印刷される。
b)別体型:電子カルテとレセコンが別になっており、電子カルテに入力されたデータをレセコンで受信する。医事課職員が内容を確認してから、レセコンに登録する。
○一体型がよいか別体型がよいか
私は、最初、一体型で、医師が承認するとすぐに処方箋と領収書が発行されるシステムが効率的でよいと考えていました。しかし別体型のメディコムを使うようになって思うことは、医師は忙しく入力するし、見直しなどしている暇がないので、結構、入力ミスや入力漏れがあります。これを別体型の場合には、事務職員が点検して、ミスに気付いて直してくれますので助かっています。また、データ受信とレセコン登録は簡単な操作でできますので、時間もほとんどかかりません。
また、データの保護という面でも有利です。ほぼ同じ内容の診療データが電子カルテとレセコンに2重に記録されていますので、もし、電子カルテまたはレセコンのパソコンに障害が生じたとしても、レセプトの提出はできるという安心感があります。
以上の理由により、別体型も悪くはないと思います。
○電子カルテの比較
ここでは、電子カルテ各社の製品について比較検討します
電子カルテ導入にあたって、最低限必要な条件として、長野県内にサポートセンターがあって、ハードのトラブル時にも1時間程度で来て修理に対応できることが必須条件と考えますので、その条件を満たしているメーカーの中で検討してみました。
資料として、各メーカーのパンフレット等を参考にしました。
内容は、決して十分なものではありません。残念ながら、デモを少しみせていただいた程度で詳しいことはわかりません。つまり、この程度の情報しか持っていないということです。
メディコム | 上欄に前回カルテ、下欄に今回カルテを表示する。2回分のカルテを左右表示することもできるようになった。 過去カルテは上欄をスクロールすることでさかのぼって、見ることができる。 |
BML | 右上に今回所見画面、右下に過去の所見画面 左上に今回オーダー画面、左下に過去のオーダー画面 過去カルテは日付指定で選択し、表示する |
富士通 | 上欄に前回カルテ、下欄に今回カルテを表示する。 過去カルテは上欄をスクロールすることでさかのぼって、見ることができる。 |
油井コンサルティング | 今回カルテを大きく表示する。 過去カルテは別ウインンドウで表示できるようである。 |
ユヤマ | 左欄に前回カルテ、右欄に今回カルテを表示する 過去カルテは←キーをクリックして表示する |
メディコム | 所見・経過等の入力はテンプレート入力 テンプレートは任意に複数のレイアウトが可能で、症状に合わせて使い分ける またテンプレートへの入力は、プルダウンメニュー、定型句やチェックボックスにより簡素化することができる |
BML | 所見ワードツールの左から順に語句をクリックして選んでいって、一つの文にする。 初診時の問診・既往歴・病気ごとに決まったフォーマットがある場合にはテンプレート機能を使用する。 所見欄から部分的にドラッグ&ドロップすることで写し書きすることも可能である。 |
富士通 | |
油井コンサルティング | 現病歴欄で、プルダウンメニューから語句を選んで、文章にしていくようである。 |
ユヤマ | キーパッドの中から、ツリー式に語句を選んでいく。 |
メディコム | ドローツールを起動し、貼り付けたいシェーマなどを開く。 ここに図や文字を追加で入力し、ボタンをクリックすることで、所見欄に図を貼り付けることができる。 |
BML | ドローツールを起動し、貼り付けたいシェーマなどを開く。 ここに図や文字を追加で入力し、ボタンをクリックすることで、所見欄に図を貼り付けることができる。 |
富士通 | |
油井コンサルティング | |
ユヤマ | シェーマウインドウを開き、サムネイルから使用したいシェーマを選択する。 ここに図や文字を書き込み、OKボタンをクリックすることで、カルテに貼り付ける。 |
メディコム | 処方入力ウインドウ左側にツリー状に表示されている薬品群から該当する薬品を選択入力する。 OKをクリツクすると、カルテ領域に転記される。 処方入力ウインドウが大きいため、薬剤選択中はカルテ領域は見えない。 また、シートに薬剤名などの一覧を表示して、入力する薬剤をチェックして入力する方法も可能になった。 |
BML | パネルから選択入力する。 パネルウインドウが大きいため、薬品選択中はカルテ表示は見えなくなる。 |
富士通 | |
油井コンサルティング | |
ユヤマ | 変化するキートップに従って、薬品名・用量・用法・日数を順次選択クリックしていくことで処方入力ができる。 |
メディコム | 別体型で同じ端末に同居できない。 |
BML | 一体型、ダブルサーバー標準装備で、起動停止のリスクを回避するため、24時間稼動を原則としているそうです。(パソコンの消耗、起動中のトラブル、電力消費を考えると好ましくないと思います。) |
富士通 | 別体型 |
油井コンサルティング | 一体型 |
ユヤマ | 別体型で同じ端末に同居できない。 |
Eデータ量
油井コンサルティングの「ドクターソフト」:データ増加量は一日外来100人の診療所の場合、1年で40〜50MB(画像、診療テンプレート除く)だそうですが、画像を入れるとすぐに10倍、100倍になってしまうでしょう。
F診療所電子カルテメーカー別導入ランキング(月刊新臨床2006年9月号より)
BML | 28% |
メディコム | 23% |
ダイナミクス | 12% |
ラボテック | 11% |
東芝メディカルシステムズ | 4% |
島津製作所 | 3% |
アガペ | 3% |
ユヤマ | 3% |
三栄メディシス | 2% |
メディカルインフォメーション | 2% |
三菱化学BCL | 2% |
G価格について
メディコム | BML | ||||
---|---|---|---|---|---|
数 | 金額 | 数 | 金額 | ||
本体(レセコン) | 1 | 380,000 | |||
液晶ディスプレイ(17インチ) | 4 | 232,000 | 3 | 195,000 | |
本体(電子カルテ) | 1 | 388,000 | |||
サーバ | 2 | 363,000 | |||
液晶ディスプレイ(15インチ) | 1 | 50,000 | |||
CPU切替器(デュアルサーバ用) | 1 | 12,400 | |||
内臓DAT | 1 | 138,600 | |||
DATテープ | 35 | 121,200 | |||
ルータ | 1 | 35,500 | |||
ペンタブレット装置(電子カルテ) | 1 | 230,000 | 1 | 193,000 | |
ビデオカード | 1 | 35,000 | |||
ディスプレイ分配器+ビデオカード | 1 | 19,800 | |||
クライアント | 2 | 376,000 | 3 | 498,000 | |
レーザプリンタ | 1 | 124,000 | 2 | 209,600 | |
領収書発行専用プリンタ(感熱ロール紙) | 1 | 106,500 | |||
A4スキャナー(USBケーブル込み) | 1 | 101,300 | 1 | 15,800 | |
USBハードディスク装置(電子カルテ) | 1 | 30,000 | |||
無停電電源装置 | 2 | 59,600 | 4 | 114,800 | |
HUB | 1 | 12,000 | 1 | 54,800 | |
LANケーブル | 4 | 6,000 | |||
ハードウェア 計 | 2,074,400 | 2,027,500 | |||
医事会計基本業務ソフト | 1 | 2,150,000 | |||
PC端末業務ソフト | 1 | 250,000 | |||
福祉医療費・国保総括印字ソフト | 1 | 200,000 | ナシ | ||
国保総括プログラム/社保総括プログラム | 1 | 120,000 | |||
レセ電算化 | 1 | 375,000 | |||
病名チェック業務ソフト | 1 | 228,000 | 1 | 300,000 | |
頭書データ送信業務(レセコン→電子カルテ) | 1 | 300,000 | |||
サーバOS | 1 | 65,000 | |||
データベース | 3 | 91,900 | |||
電子カルテ小型サーバ業務 | 1 | 1,500,000 | 1 | 2,400,000 | |
電子カルテクライアント業務 | 1 | 300,000 | 1 | 100,000 | |
画像システム連携業務 | 1 | 260,000 | |||
患者ID連携業務 | 1 | 80,000 | |||
ウイルス対策ソフトサーバ | 1 | 58,000 | |||
ウイルス対策ソフトクライアント | 1 | 7,800 | |||
リモートサービスソフト | 3 | 27,000 | |||
PDFファイル作成ソフト | 3 | 96,000 | |||
WORD 2003 | 2 | 59,600 | |||
WORD/EXEL | 3 | 120,000 | |||
患者情報データ転送費用 | 1 | 140,000 | 1 | 350,000 | |
データ作成費、設置費用、導入時指導料 | 1 | 200,000 | 1 | 1,000,000 | |
ソフトサービス料(19,900×54ヶ月) | 1 | 1,074,600 | |||
保守サポート・国保総括表・レセ電算化・メンテナンス料(53,000×60ヶ月) | 1 | 3,180,000 | |||
ソフトウェア 計 | 6,808,000 | 8,224,900 | |||
総計 | 8,882,400 | 10,252,400 |